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第2号:内定者フォローのシーズン

7月になり、多くの企業は作用活動の大詰めに入ってきています。例年であれば、もう少し追加採用をしようか・・・と考える企業も、不透明な景気動向、今年の学生のレベルを考慮して、無理に追加募集をする企業が減っており、内定を出した学生へのフォロー活動を始めています。

今年の内定者フォローの傾向は、「入社意思再確認型」に加えて「キャリアカウンセリング型」が登場してきていることでしょう。今年は絶対的な求人数が少なく辞退先が減ったこともあり、内定者の相談は「他社と迷っているのですが・・・。」から「私のやりたいことは、本当にできますか?」という不安に変わってきています。職種別採用や、インターンシップという、採用のミスマッチを防止するための新たな採用手法の導入が進んでいるのも、本人のやる気重視という面に加えて、学生のそういった精神的不安に対応する効果も狙いです。

しかし、そういった就職に対する不安は、社会人となるために若者が必ず越えなければならないハードルであると思います。あまりに学生に対して用意された環境は、若者の本来の力である、未知なるものへの挑戦、不安な状況に対処する精神的強さを削ぐことになり、熱帯魚のような完備された環境でしか生きられないひ弱な若者を育ててしまうのではないかと心配になることがあります。多くのメディア情報や自己分析過多の影響で、自分のやりたいことも誰かに決めて貰う、という若者が出てこないよう願っています。

若者には人間的成長を支援するための、大人の対応が必要だと思います。家庭における父性欠如の役割を、採用担当者にまるごと期待されても困りますが、大学就職部のガイダンスにおいても、業界セミナーだけではなく、企業人からも現代の若者が陥りがちな点をアドバイスしてあげたいものです。

第1号:変革の時は、機会の時

採用担当者の企業間コミュニティ、Professional Recruiters Club代表の鈴木と申します。これから大学の就職ご担当者向けに、メールマガジンの連載を担当致します。
既に皆様がお感じのとおり、今年の就職活動は例年以上に厳しい環境であります。国の経済見通しにおいては、やや薄日を感じさせる発表があるものの、日々人事採用活動に勤しむ私達は、今回の不況が一過的なものではなく、構造的なものであると痛切に感じております。

これまで長らく日本の強みであった、終身雇用慣行および新卒採用中心の人事政策が見直されつつある現在、私達、企業人事採用担当者の仕事も変革を求められており、それは同時に学生の就職活動および貴兄、就職ご担当者の業務にも大きな影響を及ぼしてくることでしょう。既にいち早く、「就職」課から「キャリアセンター」と名称を変更し、これまでの学生支援体制の見直しを始めたところもあります。しかしこれから必要なのは、全体の底上げだけではなく、各学校にあった個性的、多様化した施策を考えることではないでしょうか。今年の採用活動において企業の採用担当者は、「基本的なマナーができない学生が益々、増えたねえ。」「んなそこそこ良いけど、ピカイチは居ないねえ。」と異口同音に申しております。

こういった時代の変革期において、今ほど大学・学生・企業が新たな関係つくりを求められている時はないでしょう。そして変革期において重要なポイントは、如何に早く行動を起こすかです。ベンチャーの起業と同じく、7割成功の可能性があればいち早く始め、失敗したらそこから学んですぐに修正する、というチャレンジングなやり方こそが必要なスタイルです。つまり、今こそまさに「機会の時」なのです。これからお送りするメッセージが、新たな大学と社会の関わりとを考える皆様の一助になるように祈っております。では、宜しくお願い致します。