第428号:キャリアセンターは良い企業のプロデューサー

大学キャリアセンターでは、企業や官公庁を招いてのセミナーがピークになり、毎日様々な業界や企業の多様な話しを聴くが、一般のニュースでは知り得ない情報が面白い。
良く知っていた企業が、そんな事業やビジネスモデルになったのか!と発見するのは特に楽しい(そうして変化できる企業や社員には共通点がある)。
逆に、いかに学生が世の中を知らずに就活しているかがわかる。
ある意味、日本の新卒採用の凄いところだ。世界に冠たる20代労働者の低未就業率の秘密だ。
先日は「何処の企業も魅力的で決められません。軸はどうすればよいですか?」という相談もあったが、聴いてみると表層的な憧れの段階だった。企業人は「自分の頭で考える」人が求められる、と言う。それは、もっと具体的にいえば、自分の考えで決断して行動できる(自分の人生の責任がとれる)ということだ。
軸なんかなきゃないでいいんじゃね?
社会や世間を知らずに立てた軸なんて、軸じゃなくて自分で自分に打ち込んだ楔だろ。動けなくなるよ。試行錯誤して回っているうちに、自然に見えてくるのが軸だろう。多くの良い企業・人材の共通点が見えてくるように。(^0^)
キャリアセンターの仕事は学生の就職支援が中心だが、良い企業を学生に教えることは採用活動の支援にもなる。つまり、学生と企業の双方のプロデューサーだ。
そこで思い出したのは、商社マン時代、米国半導体の代理店として営業していた頃のことだ。駆け出しの頃は、顧客側の見方・味方で、日本(クライアント)の要求を米国(メーカー)に求めることだと思っており、強力な要求やクレームをつけ、仕事ができるようになったと思っていた。
しかし、時間が経つにつれ、米国(メーカー)側に触れる機会も増えて、向こうの主張もわかるようになってきた(日本法人経由だけでみていた頃はわからなかった)。
そして思い至ったのは、商社マンはお客と仕入れ先双方のエージェントだということだ。両者をフェアにみて相互のハッピーを目指す仕事だということだ。それはできる商社マンに共通の理念だと思う。
代理店とは、双方の代理を行う業だ。
ただのメッセンジャーではなく、相互にハッピーな人間関係を創ることだ。全部、最初に就職した会社で学んでいた。
そう考えると、良い企業・仕事を仕入れて学生に教える、良い学生を育てて企業に教える、教育と支援の両立採用活動と就職活動の両立は可能になるはずだ。商社機能とメーカー機能の融合が理想だ。
(逆に、有名でも紹介したくない大企業、高偏差値でも紹介しがたい学生も居る、これはどうしたものかな。ここで相互にマッチしてくれたら助かるのだけど。笑)
anyway, 20代に毎日終電を追いかけた日々は、今でも役に立っている。あの頃は残業手当なんてなかった(あれは違法だった)けれど、仕事が楽しくて仕方なかった。
飛ぶように日々が過ぎていく。文字通り、電車を追っかける師走の日々だ。・・・そして、今日もなんとか電車に追いついた。まさか今でも走っているとは。(^0^)