第28号:悩めるインターンシップ

8月に入り、大学も夏休みに入られたかと思います。まだ4年生の就職活動も全て終わらないうちに、3年生はインターンシップを受講し始めています。同時に2世代の学生の対応を求められて忙しいのは、採用担当者だけではなく就職ご担当の皆様も同じですね。採用活動の期待の施策として導入され始めたインターンシップですが、一部の大手企業ではそのあり方を見直そうとしています。

大学と企業の「共同教育」として位置づけられるべきインターンシップは、日本においては企業広報活動または直接の採用活動として位置づけられることが多いことは周知のことです。目的が広報であれ採用であれ社会貢献であれ、欧米諸国に比べて社会と学校の距離が遠いと言われている日本において、インターンシップが段々と増えている傾向は望ましいことでしょう。大学における専門教育が、社会のどこでどのように活きてくるのか、ということを今の学生の多くは気づいていません。良いインターンシップに出会うことにより、少しでもそれを理解することができれば大学の講義が一層面白くなるものです。

ところがインターンシップを採用手段と考えている大手企業では、その効果について疑問を感じ始めているところがあります。自社のインターンシップで高い評価を受けた学生には、内定をたくさん取るが如くに、他の多くの企業のインターンシップを受ける方が居ります。一部ではインターンシップ・メンバーが顔見知りになり常連化しているところもあります。そういった学生たちは就職シーズンになると、履歴書に勲章を並べるように誇らしげにインターシップの成果を記載してきます。確かに優秀な学生なのでしょうが、採用担当者としては複雑な思いで「この学生は本当に我が社に入社してくれるのだろうか?」と考えてしまいます。

そもそもインターンシップにおいて採用直結と期待することが間違いなのかもしれませんが、採用関係費用の投資効果をますます問われている採用担当者としては、受け入れ人員を削減したり中止したり苦悩は続きます。

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