第394号:自己PRメディアの使い分け

就職活動解禁日となり、学生が慌ただしく企業説明会に動き始めましたが、キャリアセンターには相談が急増ですね。私もお手伝いで学生の面談をしますが、採用担当者目線で見ていると、疑問に感じることが多いです。特に、履歴書エントリーシート面接の3つの自己表現の使い分けが出来ていないと感じます。改めてこれらの使い分けについてお伝えしたいと思います。

選考基準や手法は企業によって、また採用担当者によっても多様ですから、ここでお伝えすることはあくまでも私の知見からくるものです。しかし、こうした基本的な指針をもつことで、学生の悩みや迷いも相当に減るのではないかと思います。まずは3つの自己表現のメディア特性を考えた上で使い分けることです。具体的に整理すると以下の通りです。

履歴書 ⇒少量 ⇒紙   ⇒見せる  ⇒体言止め      ⇒事実

ES  ⇒中量 ⇒ネット ⇒読ませる ⇒である調       ⇒詳細

面接  ⇒多量 ⇒言葉  ⇒聴かせる ⇒ですます調     ⇒描写

まず履歴書は、読ませるものではなく見せるもの、採用担当者側から言えば、履歴書にはどんなことをしてきたか(いわゆるガクチカ)をできるだけ多様に書いて欲しいと思います。採用担当者は応募者の様々な能力を知りたいと思いますので、勉強についてはゼミや卒論は当然として、専門科目以外での好きな科目を書いて貰えれば幅広い採用担当者にアピールできます。しかし、多くの学生はゼミや卒論のテーマを書いて、その後に詳細の説明を書くので(これもひとつの書き方ですが)、採用担当者が質問するポイントが減ります。

ES(エントリーシート)は、履歴書の内容を詳細に説明するもので字数も増えますから、具体的な説明をするものです。ただ、最近の大学指定の履歴書は以前のものと違って、勉学、ガクチカ、自己PR、志望動機が項目として用意されているものが増えてきました。文字数で言うと200~300字なので、ESよりは少なめです。なので、ここで学生が履歴書とESの書き分けに悩むようになってきました。そこで私が勧めているのは、履歴書は箇条書きにすることです。大学キャリアセンターは履歴書を箇条書きにしてはいけない、と指導するところが多いように感じますが、私は反対です。極端に言えば、履歴書は採用担当者が質問する項目の羅列にして、ESで詳細を説明するという使い分けです。

最後に面接は、ESで書くと文字が溢れてしまう「具体的な事実・体験の描写」について言葉で話します。テーマは同じでも、言葉ではより臨場感があるように語れます。ESでは「学生時代には」「多様な世代に」と書いたなら、面接では「大学2年のことですが」「若者から年配までの様々な方に」と活きた言葉で描写することです。

ここでご紹介したメディアの使い分け手法は、採用担当者側にとっても応募者を理解する上で非常に助かりますし、応募者の表現能力のアピールにもなります。大学生であれば、こうした文体の使い分けで教養を示して欲しいと思います。