第362号:大学教員の就職シーズン

秋学期も中盤となり、大学教員の公募・就職シーズンもたけなわです。私事ながら、今年度で法政大学のプロジェクトが終わり、私も就職活動をしてみようかと大学の求人公募を物色してみました。大学生の就職活動とは違う風景が見えて面白いですが、懐かしくも不可思議に感じることも多いです。

周知の通り、来年度(4月)の教員公募は夏頃からボチボチ始まり、秋学期になると非常勤講師の募集も一気に増えてきます。これは私の大学時代と同じタイミングで、当時の就職活動は4年の10月が公募解禁日でした。有名企業のビルをリクルートスーツ姿の学生が行列をなして履歴書を届けるのが風物詩でしたね。いま思えば、そこから卒業までの半年で、今とは進学率も大学生数も異なるので比較は出来ませんが、よくぞ大半の大学生が進路を決めたものです。経済学的にみると、恐ろしく効率の良い市場マッチングでした。

そんな中でも今と同じくフライングする企業があり、10月から企業説明会のはずが裏側では内々定式を行っていたりしました。金融機関などでは顕著で、支店長推薦等で既に殆どの内定枠は埋まっているのに、解禁日にやらせの採用活動をやっていて、現場の担当者もやる気がなかったが謎でした。

同様に、大学の求人情報を採用担当者の視線で見ていると、これは「出来レース」だなと感じさせるものがあります。公募期間が異様に短い(20日間位)、募集用件がピンポイントでハードルが狭い等が特徴的ですが、この辺の大人の事情は皆さんの方がご存知でしょう。

これは企業でもあることで、実際は早期採用や縁故採用で過半数が既に内定済みなのに、協定や倫理憲章遵守のアリバイ作りで求人広告を出したりセミナーを行ったりしていました。大学も企業も無駄と知りつつお上の方針に従っているわけです。勿論、採用広報手法としてハードルをあげるのは当然のことです。大学大衆化時代になり、やたらに応募者を集めるより、ターゲットを絞ったダイレクトリクルーティングへ移行していますね。しかし、一番気の毒なのは何も知らない応募者です。

というわけで、これから私も初心の学生気分(?)に戻って就職活動をしてみようと思います。これも周知の通り、2018年問題を前にして、大学は厳しい経営状況に直面しています。企業での非正規社員の処遇問題と同様、非常勤講師・特任教員の扱い方の問題がありますが、まあ宝くじも買わないと当たりません。就活にとって大事なのは、いつも学生に言っていますが「犬も歩けば棒に当たる」歩かずに待っている犬にはチャンスは来ないということです。「捨てる神あれば拾う神あり」ですし、こうした楽観性と達観力がないと就職活動は本当に辛いものになりますね。

最後に一つ問題提起しておきます。それは大学研究者に教育者の面接(評価)は可能なのかという点です。研究業績はともかく、長年の経験から教育スキルとして疑問に思う方々と出会ってきました。特にキャリア教育の領域では、何故この人が採用されたのか不思議でした。その謎も、自分の就活で解けたら嬉しいと思います。

▼参考URL:年収300万円「非常勤講師」が苦しむ常勤の壁2017/10/25 (東洋経済オンライン)

http://toyokeizai.net/articles/-/193885?page=2

▼参考URL:ポスドク問題の次は「特任教員問題」が発生か2017/6/25 (JBpress)

http://news.livedoor.com/article/detail/13140930/