第321号:期末試験答案とエントリーシートの共通点

期末試験答案の採点も佳境を迎えているところですが、試験の終わった学生(3年生)からはエントリーシート(ES)を見て欲しいという相談も増えてきています。企業(採用担当)出身のキャリア教育担当教員としては、いつまでも採点が終わりませんが、無数に答案を見ていると期末試験もESも選考基準は同じだと思わされます。

私が授業で学生に口を酸っぱくして伝えているショート・レポートや答案の書き方の注意点は難易度順に以下の通りです。こうした書き方は、中高時代に習っていないのか、マークシート中心の大学受験では必要なかったのかわかりませんが、出来ていない学生が相当数にのぼります。

1.量があること(答案に空白エリアを作らない)

2.見やすいこと(誤字脱字は勿論、私の授業では鉛筆は不可)

3.漢字を使うこと(文字数を圧縮でき、知性も伝わる)

4.自分の意見(学んだこと)があること(聴いたまま書かない)

5.事実+意見であること(単純な感想を書かない)

6.前向きであること(否定的表現を語彙でカバーする)

7.品格があること(読者の心情を意識した書き方)

そして、実際に答案(ES)の採点をしていると、以下のような気持ちにさせられます。

1.結論から書け

⇒最初の2~3行で先まで読む気がおきるか。採用担当者ならすぐにNG判定で読むのを

やめられますが、大学試験では先が面白くないと判断できても読まねばなりません。

2.問われていることを書け

⇒山が外れてとにかく自分の覚えていることを書くのは、諦めない姿勢として評価出来ますが、

それが設問とどのように関わるかという意味づけ(論理構築)がないとNGです。

3.読める字で書け

⇒残念ながら私は考古学者ではありません(象形文字は読めない)。

最近、ますます読みにくいクセ字・悪筆が増えています。

「採点」より「解読」に時間がかかり苦労させられています。

こうしたライティング・スキルは大学でも教えるべきことなのでしょうが、如何に多くの学生が「読まれる」こと意識した文章を書いていないか、教えられていないかがわかります。今はちょうどシラバス作成の時期でもありますので、上記内容は「評価基準」に書いておこうかと真剣に検討中です。

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