第313号:キャリアコンサルタント法制化

就職課の皆さまも採用担当者もキャリアコンサルタントの資格をお持ちの方は多いでしょう。周知の通り、キャリアコンサルタントは平成28年4月に法制化(国家資格化)される予定です。たまたま厚生労働省の方がこの法制化について解説するセミナーがあるので受講してきました。

 

私がキャリアカウンセラーの資格の一つであるGCDFを取ったのは10年前になります。今でも資格更新は続けていますが、最近は大学キャリア教育の方に注力していますので、この法制化については注意していませんでした。そのため勉強に行ったのですが、正直、この法制化の意義がよくわからず、逆に新たな課題が見えてしまいました。

 

国家資格化によりキャリアコンサルタントの認知度やステイタスが上がるのは良いことだと思います。しかし、税理士や社会保険労務士とは異なり、キャリアコンサルタントでなければできない仕事というのが明確ではないと思います。衛生管理者のように一定規模の企業にはキャリアコンサルタントの配置が義務づけられるというなら別ですが、受講していたキャリアコンサルタントの方々の発言で多かったのも、資格はとったけど仕事がないというものでした。

 

私が大学教員になったのも10年前ですが、キャリアコンサルタントの方から「どうやって大学教員になったのですか?」「キャリア教育の仕事があれば紹介して下さい。」と問われることが増えてきました。私も任期付き教員・非常勤講師という不安定な雇用状況なので、そうした方々の気持ちは痛いほどわかります。大学キャリア教育もだいぶ普及してきましたが、良いキャリア教育のできる教育者は少ないし、内容の充実度もまだまだです。しかし、キャリアコンサルタント資格保持者はコンサルティングはできても、キャリア教育は実務経験がないと難しいです。

 

こうした状況の中で、就職課職員やキャリアコンサルタントを対象に法政大学でビデオ教材の研究会を始めたのもこうした方々に機会を作れたらと思ったからです。(ちなみに、国もキャリアコンサルタント向けのキャリア教育支援の講習会を実施しており、法政大学の事例も紹介されています。)

 

就職活動に悩む学生を支援するには、まずはキャリアコンサルタントが自分のキャリアに悩むというジレンマを解消しなければならないと思うのです。

 

▼参考URL:キャリアコンサルティング(厚生労働省)

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/shokugyounouryoku/career_formation/career_consulting/index.html

 

▼法政大学のキャリア教育事例(厚生労働省)

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11800000-Shokugyounouryokukaihatsukyoku/0000090424.pdf

 

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